うつ病かもしれない友人との上手な付き合い方

「友達が『うつかもしれない』と打ち明けてくれたのだけれど、どうすべきかわからない」
「サポートをしたいと思うけど、友人という立場上、なかなか踏み込めない」

コモレビでは友人がうつかもしれないときの付き合い方について相談いただくことがあります。

日々「メンタルケアのプロフェッショナル」として利用者さまに向き合っているコモレビのスタッフは、プライベートな友人とはどのように関わるのでしょうか。

友人から「うつ病かもしれない」「最近こころがつらい」といった相談を受けたとき、どのように接しているのでしょうか。

この記事では、コモレビのスタッフで精神科看護師である新屋に、「上手な付き合い方」について聞いてみました。

1. まずは「共感」を軸に直接本人から話を聞く

Q. 友人から本人のつらい状況に関する相談が来たとき、どんなことを心がけていますか?

最初はLINEなどのメッセージで相談が来ることが多いと思いますがやりとりの中で、「近いうちに会えないかな?くわしく話を聞かせて欲しい」と提案するようにしています。

もちろん関係性にもよりますが、できる限り直接会って、表情を見ながら話を聞きたいなと考えています。難しい場合はzoomや電話で話を聞くことも、もちろんあります。

本人と話せることになったら、最初は「とにかく話を聞く」ことを大切にしています。

いま、どういう状況なのか。どんなときに辛いのか。どれくらい差し迫っているのか。

うつ病で苦しんでいる方は、つらさで頭がいっぱいになり、正しく状況を判断することができないことがあります。ですが、他人に話をすることで、自分がどのような状況にいて、どんな気持ちなのか、整理をすることができます。

話を聞くときは、とにかく「共感」が大切です。

「そんなのおまえじゃなくたって、メンタルやられるよ」
「そんなつらい状況で、よく耐えてたな」

という感じで、相手が置かれた立場と気持ちを想像しながら、相づちをうったり、自分の考えを共有していきます。

自分のことを責めてしまっているかもしれない友人には、「悪いのはあなたではなく環境である」と強調できるといいですね。

わたしの場合は、「いつでも自分はあなたの味方だよ」ってことを伝えられたら良いなと思っています。

「そんなんじゃダメだ」という説教でも「がんばれ」といった励ましでもなく、ただただ共感する姿勢を大切にしています。

Q. 共感が大切なんですね。相談しづらいことを打ち明けてくれた相手の立場を大切にされてますね。

そうです。相談の際には「起きたできごと、思ったことをそのまま話してほしい」とも伝えています。特に、「言葉を選ばずに言って欲しい」と。

こころがつらいとき、うつ病のときは、どうしても自責的になってしまう方が多い印象です。相手を責められなかったり、本当の気持ちを吐き出せずにいる人をたくさん見てきました。

そうした我慢がまた、本人のつらさの原因になってしまうこともあると思っています。だから、例えばわたしの方から、

「え、そんなことされたのか。おまえの上司、本当に最悪だな!」

というように、敢えて本人の代わりに怒りを表現したりもします。

「あ、自分が抱えている感情を、素直に表現してもいいんだ」

という安心感を本人に感じてもらえたらと思いますし、こころの内を吐き出せるようになることこそ、回復に向けて必要なんじゃないかと思っています。

Q. 直接お会いすることを大切にされているのはどうしてですか?

やはり、テキストや音声だけでは分からない情報があるかなと。

「全然笑顔がないし、しんどそうに見えるよ?」
「少し痩せたんじゃない?」
「そんなに猫背だった?」

など、他人だからこそ気付ける本人の変化というものがあるように思っています。

2. 必要に応じた対処や行動をうながす

Q. 本人に共感しながら話を聞いたあと、どのような提案をすることが多いですか?

ひと通り話を聞き終わったら、別の友だちにも同じように話をするようにすすめることが多いです。

何度も話をすることで本人の中でも整理されるし、少し冷静・客観的になれたり、考え方が良い方向に修正されたりすることも少なくないと考えています。

もちろん、本人には相談をすることには戸惑いやためらいもあると思います。そんなときは、

「あなたがつぶれたり倒れたりしたら、落ち込む人がいる」
「困っていることを打ち明けてくれる方が周りも安心する」

と伝えてあげてください。

別の友だちや家族などが難しそうであれば、カウンセリングをすすめることもあります。継続的にこころの悩みを相談できるプロがそばにいてくれれば、本人にとっても心強いと思っています。

かなり追い詰められているな、とてもしんどそうだなと思ったときは、通院や休職をすすめることもあります。

わたしの場合は、いろいろな精神科クリニック、病院と付き合いがあるので、話を聞く中で本人に合っていると思うクリニックをすすめたりもします。

多くのひとを診ている医師に話を聞いてもらい、ご自身の状態を「別の視点」で捉えてみることも、状況を改善するための第一歩になるかなと思っています。

休職については抵抗がある方も少なくないですが、仕事のストレスや人間関係がつらさの原因なら、そこから一定の期間、距離を置くことが一番です。

休職をするにしても診断書があるほうが良いので、まずは通院ができると良いかなと思っています。

Q. わたしたちでも分かるような症状の判断方法はありますか?

わたしたちは医師ではないので診断をくだすことは当然できませんが、それでも「寝食ができているか」は、ひとつの目安になると思います。

睡眠と食事という、生きる上で最も重要な2つがまともにできていないようなら事態は深刻です。

できる限り早く専門家への受診を勧めてあげた方が良いと思われます。

3. アフターフォローを忘れないで

Q. 直接会って、共感を軸に話を聞く。場合によっては受診をすすめる。

はい、その通りです。加えて、もう一つだけお願いしたいことがあります。

見逃しがちだかもしれませんが、話をしたあとにもう一度、本人と連絡を取って欲しいと思っています。

別の友だちに話せたか、休めているか、新たな悩みが出てきていないか、なにかしらの行動をしたか。

これらを確認するという目的もありますが、それ以上に、連絡を取ることで

「わたしにとってあなたは大切な存在で、どう過ごしているか気になっているよ」

というメッセージとして欲しいと思っています。

例えば、もし本人が相談したあとに仕事を休むようになっていたとしたら、本人はもしかしたら「自分はダメな人間だ」と落ち込んでいて、自分から連絡をすることができないでいるかもしれません。

そういう可能性があるときこそ、友人にはフォローをしてくれると嬉しいなと思っています。

「その後どう?生きてる?」
「無理に返事はいらないけど、スタンプでも返してもらえたら嬉しい」
「力になれることがあれば連絡して」

とLINEするだけで大丈夫です。変な話ですが、既読が付くだけでも生死確認ができるので。

一緒にいない時間も自分のことを考えてくれているなという感覚が、安心感につながります。

どんな人でもうつ病になる可能性はあります、困ったときはお互い様です。

だれもが笑顔で生きられる時間が少しでも増えるように、助け合っていけたらなと思います。

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