うつ病の本人と家族それぞれのストレス、原因と対処法、頼れる支援機関をご紹介

「自分なりに家族をサポートしているのに、うまくいかず一緒にいるのがつらい」
「うつ病で苦しんでいる家族に対して、ストレスを感じてしまってもいいのだろうか」

うつ病になったご家族をサポートしながら、このような悩みを抱えている方もおられると思います。

一方でうつ病になったご本人も、

「家族の言動が気になり、ストレスを感じてしまう」
「家族と距離を取りたいが、1人になるのは心細い」

と、家族とのかかわり方に悩んでおられることでしょう。

この記事では、こうしたお悩みを抱えるうつ病になったご本人とご家族両方に向けて、

・うつ病が家族関係に与える影響
・家族に対してストレスを感じてしまう原因
・ストレスへの対処法

をお伝えします。

1. うつ病が家族関係に与える影響

うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスによって、感情や気分に関わる脳機能のバランスが崩れる病気です。

気分の落ち込みや憂うつ・イライラといった精神的症状や、不眠や倦怠感といった身体的症状は、
日々の生活での対人コミュニケーションにもさまざまな影響をもたらします。

以下では、うつ病になった本人と家族それぞれに対して、うつ病が要因で生じうるストレスについて解説します。

うつ病になった本人が家族とのかかわりで感じるストレス

抑うつ気分や、興味・喜びの喪失といった精神的症状から、「ひとりになりたい」「誰とも話したくない」と思うようになり、家族と関わること自体がストレスになる場合があります。

また、うつ病になると疲れやすくなり、気力も減退するため、日常のさまざまな場面で「今まで出来ていたことが出来なくなる」という経験を重ねやすくなります。

そのため本人は、

「こんなこともできない自分には価値がない」
「家族に対して負担や迷惑をかけてしまっている」

など、無力感や自責の念を抱えるあまり、家族とのコミュニケーションを避けてしまう、ということも起こりえます。

また一方で、自分が抱える苦しさがなかなか伝わらず、「うつ病である自分を家族は理解してくれない」とストレスを感じてしまうこともあります。

うつ病の人と共に過ごす家族にかかるストレス

うつ病は、骨折などの身体的なケガと比べると、外からは症状や苦しさがイメージしにくい病気と言えるでしょう。

今までは簡単に出来ていた家事や日々のちょっとしたコミュニケーションも、うつ病で気力・体力が落ち込んでいる本人にとっては大変な重労働となります。しかし、うつ病を経験したことのない家族は、

「病気とはいえ、これぐらいのことも出来ないの?」
「出来ることをやらずに怠けているだけのではないか」

など、ネガティブな印象を持ってしまうことがあります。

またうつ病は、十分な休養や服薬などを通して時間をかけて回復していく病気です。

そのため、

「いつになったら治るのだろう」
「家族として支えなければと思うけど、しんどくなってきた」

など、うつ病になった家族を長期間に渡って支えることに、ストレスや疲労感を感じてしまうことも珍しくはありません。

2. 家族という関係ゆえにストレスが生じやすくなる 

うつ病になった本人と家族、それぞれに悩みやストレスがありますが、どちらが悪いとお互いを責めても解決には繋がりません。

これらのストレスは、うつ病の症状と、生活の多くを共にする「家族」という間柄がかけ合わさることで生じてしまうものです。

お互いの距離が近すぎても遠すぎても問題が生じます。

家族間のストレスを少しでも和らげるために、適切な「距離感」を探していくことが大切です。

距離が近すぎる場合に生じる問題

・家族と関わっている時間が長い
・同じ空間(家)にずっといる
・頼れる人が家族以外にいない

など、家族間の「距離が近すぎる」状態が続くと、うつ病になった本人と家族の気持ちや期待がすれ違いやすくなり、

家族が「やってあげているのに」という期待と疲れを感じるのに対して
本人は「やってもらっているのに」という罪悪感や焦りを感じてしまう

という状況に陥るおそれがあります。

距離が遠すぎる場合に生じる問題

一方で、

・家族とコミュニケーションを取る時間がほとんどない
・同じ空間で一緒に過ごすことがほとんどない
・悩みがあっても家族を頼ることができない

など、家族間の「距離が遠すぎる」状況には、うつ病になった本人が孤立感を深めたり、家族の理解や援助を受けにくくなったりするリスクがあります。

次の章では、具体的に家族の距離感を調整する方法をご紹介します。

3. 本人も家族も共倒れしないための適切な距離感の見つけ方

少し離れて過ごせる時間を適度につくる

家でほとんどずっと一緒に過ごしているなど、家族の距離が近すぎると感じられる場合は、

・カフェや美容室、映画など、片方が長時間外出する予定を入れる
・友人に会って話を聞いてもらう
・趣味をつくる/または趣味の時間を確保する

など、お互いが別々に「休息できる時間」「離れて過ごせる時間」をつくる工夫をしてみてください。

一人でゆっくり心と身体を休めることができたり、ストレスの発散になったりするほか、家族のかかわり方・距離感を冷静に考え直すきっかけにもなります。

また、友人や知人など第三者に話を聞いてもらうことで、今まで思いつかなかった視点から解決方法が得られることもあるでしょう。

外部の支援機関を活用して距離感を調整する

医師や看護師、精神保健福祉士などの専門職に頼ることで、互いのストレスや悩みを打ち明けて楽になったり、間に入ってもらうことで気持ちのすれ違いを解消できたりすることもあります。

以下では、うつ病になった本人やその家族が利用できる支援機関をご紹介します。

1)精神科・心療内科

うつ病になった本人が医師の助言を受けたり薬を処方してもらったりすることだけでなく、家族が通院同行することで、病気への理解を互いに深めることや家族間の悩みに対する解決策が見つかることもあります。

本人の症状をより理解したい、適切なサポートの仕方を学びたいというご家族の方は、ご本人とご相談の上、通院同行をしてみてください。

2)カウンセリングなどのメンタルケアサービス

臨床心理学の専門性を持つカウンセラーが相談者と話し、抱えている悩みや問題点を整理し、一緒に解決できるよう関わっていきます。

カウンセリングは精神科や心療内科のクリニックに併設されている場合や、臨床心理士が開業しているカウンセリングルーム、オンラインのカウンセラーマッチングサービスなどがあります。

この記事を制作しているコモレビも、家族向け支援を行っています。東京都内在住の方は、「精神科訪問看護」という制度を使って、ご自宅に伺ってのメンタルケアを実施することが可能です(保険適用により自己負担額が少なくなります)。東京都以外の地域の方にも、全額自己負担・オンラインのみとなりますが、家族カウンセリングのご依頼を承っております。お悩みの方は、お気軽にお問い合わせ・ご相談ください。

3)家族会/家族向けコミュニティサイト

ほかのご家族の経験を聞きたい、悩みを共有したいという方は、家族会やコミュニティサイトの閲覧をお勧めします。以下のようなサイトやサービスをご参照・ご利用ください。

みんなねっとサロン(公益社団法人全国精神保健福祉会連合会が運営)
うつ病患者の家族向けコミュニティサイト「encourage」(株式会社ベータトリップが運営)

うつ病にまつわる悩みを家族だけで抱え込みすぎて共倒れにならないように、ぜひ積極的に支援機関をご活用ください。

4. 第三者の力を借りながら、焦らずじっくり回復をサポート

うつ病になったご本人はもちろん、ご家族やパートナーの方も、うつ病による日常生活の変化によって、戸惑いや不安を抱いたり、気づかないうちにストレスを溜めてしまったりしていることと思います。

「病気になる前の生活に戻りたい」と回復を急ぐ気持ちに対し、症状がすぐに改善しなかったり、再発を繰り返したりと、もどかしさを感じることもあるかと思いますが、うつ病の治療は、長い目線で、焦らずじっくり取り組むことが大切です。

この記事でご紹介した考え方や対応方法を参考に、また医師をはじめとする第三者のサポートを受けながら、ご本人もご家族も、お互い無理をしすぎず日々を過ごしていただければ幸いです。

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ライター:小﨑詩奈
看護師/大学生
大学で精神看護学研究室に所属。現在は、リカバリーや居場所感についての研究に励んでいる。
コモレビナーシングステーションにて、ライターとしても活動中。
精神科看護に興味があり、特にメンタルヘルスに関する情報を発信しています。

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メンタルケアサービス
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コモレビ自宅訪問型のメンタルケアサービスです。現在、都内かつ新宿駅から片道40分圏内にお住まいの方を対象としております。

メンタルヘルスを専門とするスタッフが、ご利用者様の自宅に直接うかがい、お話をさせていただきます。心身の調子が悪く外出がむずかしい場合でも安心してご利用いただけます。

1回約40分。精神科経験のある看護師や、精神保健福祉士などの国家資格を持つスタッフとの対話・相談を通して、日々のさまざまな悩みや不安に向き合い、解決を目指すことができます。

サービスのご利用にあたって、まずは無料の利用面談を承っております。利用面談では、お悩みやお困りごとなどをお聞かせ頂く中で、どのような形でコモレビがお力になれるか一緒に考えていきます。

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